一日一言

初めの一歩

一月一日初めの一歩は道の半(なかば)に当る。何事も出やうが大切。花は芽にあり、大人の心は三つ児に始まる。今年の事業は今日の心に起る。 ひととせを皆今日の心地して のどかに世をも過してしがな (伊藤仁斎)読み下し文「今年もあとわずかになって、...
一日一言

旧を捨て新に就かん

愈々今年も終らんとする。過ぎし十二ヶ月間に何を成就したかと独り静かに顧れば、昨年と同じ様に矢張り後悔すべき事のみ。 徒に過ぎし月日のしのばれて 殊更をしき年の暮かな然れども悔ゆるは改むるの端緖。来年の今日はまさか同じ後悔を繰り返へすことはあ...
一日一言

顧みて恥なきか

本年中我が身に係る出来事を数へ上ぐれば、よし事業には成功したりとするも、心に顧みて、薄志弱行を恥づるであろう。更に、事業の成功に就て全く正々堂々たりしやと問はゞ、答へんとして又恥づるであらう。 何事もこゝろの中の誠より 思ひ立てずば末は通ら...
一日一言

下つて人に仕へよ

西紀一八〇九年の今日グラッドストン生る。彼は誠心を以て神と人と国とに奉ぜる人。真に人の為に尽さんと願ふ者は、身は低くして人に仕ふる心得をすべし。能く人に使はるゝ者は人を使ふなり。甘んじて人の下に居る者は、人は人の上にあげるものなり。人上げず...
一日一言

意志に因て天性を矯めよ

これは先祖よりの遺伝なりとか、先天的の性質なれば止むを得ぬとの理由の下に、己れの弱点を自ら容(ゆる)し、人にも容しを乞ふ者あり。これほど先祖に不幸自己に不忠なるなし。先祖が弱点を遺せしなら、必ず同時に矯正する力をも選せしなり。己れに忠なる者...
一日一言

貧乏に勝つ工夫

貧に迫ると、困しまぎれの悪智慧が湧き出し、人を欺き或は脅かし、その他百事の悪策を廻したくなるものである。この時一番、貧の力に負けぬ工夫を要す、即ち、貧乏神を迎へつけて却下に踏み倒す気力を要す。貧乏の棒に我が身を縛られな 心きかしてふりはすべ...
一日一言

癖の勢力

手足の動き様、物のいひ様に人それぞれの癖ある如く、考へ様にも癖があり。よからぬことゝ知りながらも、同じ事をたぴたび考へれば自ら頭の中に癖が出来、他の事を考ふる時にも煩ひをなす。初は楽みの如に思ひし癖も、後には崇るが如く苦しめる。車の坂を下る...
一日一言

天に栄光地に平和

天に栄光、地に平和とは、耶蘇降誕の節天使の唱へる讃美の歌とやら。天果して何処にありや、地果して何処にありや。救世主の生れ出で賜ふ所は各自の心の中にあり、上帝の聖旨は人の胸の底に潜む。栄光、平和は我を通らで流るゝ道なし。たゞ我未だ我を知らず。...
一日一言

一家団欒の祝福

此世の楽に様々の種類があるが、中にも、親子一族うちくつろぎ、睦じきに優るものはない。互に遠慮のない中にも敬愛の念備はり、甘き辛きも共にする親子夫婦の間柄は人の最良なる性格を発揚し、地上に天国を実現する道である。世務繁き人も、機(なり)を求め...
一日一言

論理以上の真理

霊魂の滅不滅は、いくら論じても論じ尽せぬ。それもその筈。これは論理の歯牙にかゝらぬ問題なればなり。山深く退き、或は拡(ひろ)き浜辺に立ち、或は親の墓に詣でゝ、人は土塊に過ぎざるやと心静かに自ら問はゞ、恐らく論理以外の答あらん。自波もよせ来る...