2024-09

一日一言

光陰矢の如し

光陰矢の如し、昨日まで青々と見たる田の色も、今日は全く色変り、山の木の葉も風に乱れて、世は方(まさ)に秋の景色となつた。それにつけても、世の有様はさて置き、わが知人の小さい範囲にも、数へ挙ぐれば変化は少くない。昨日見し人はと問へぱ今日はなし...
一日一言

倹約の仕方

気長く心穏にして、万に倹約を用て金を備ふべし、倹約の仕万は不自由なるを忍ぶにあり、此世に客に来たと思へば何の苦もなし、朝タの食事うまからずともほめて食ふべし、元来客の身なれば好嫌は申されまじ、今日の行(おこなひ)おくり、子孫兄弟に能く挨拶を...
一日一言

寛宏なれ

我れに害を加ふるものあるとも寛大に容(ゆる)せ。我れもし彼れの身であつたなら、定めしもつと害を加へたであらうと想ひやれば、彼の力の少きは本不憫に思はるる。我れ彼れの企てし程の害を蒙らざるに、彼れこそ自ら重傷を負ひしもの。月はその光を覆はんと...
一日一言

徳の競争

商売にせよ、学問にせよ、勤務(つとめ)にせよ、互に競ふて進むに就け、負けるは甚(はなはだ)無念なれども、正道を踏み行く点に就ては敢て人後に落ちぬと自覚さへあれば、負けても口惜しくもなく恥ずかしくもないし。明治天皇御製並び行く人にはよしや後(...
一日一言

災の導火線

小さいからとて侮る勿れ。微菌ほど小さきものなけれど、大なる人間を死に至らしめ、獅子も身中の虫の為に斃る。あれは子どもだ、これは高の知れたる女どもだ等と軽んじて、我が儘勝手をするは後日の災の導火線。 小敵よ弱敵よとて油断すな あなどる故に落(...
一日一言

発芽も収穫も天意

事の成る成らぬは天に任し、自分は偏(ひとえ)に其日其日の務を全うすれば足る。其の結果が思ふ通りに行かずとも、之れ必ずしも失敗でない。植うる種子は一月で生ゆるもあり、百年後に芽(めざ)すもある。人生は限りなきの播種(たねまき)なり、発芽も収穫...
一日一言

天を相手にせよ

明治十年(西紀一八七七年)の今日西郷南洲翁が城山に戦歿した。曾て(かつて)翁の言に曰く、道は天地自然の道にして、人は之を行ふものなり、故に天を敬するを以て目的となす。天は人も我も同一に愛す、故に我を愛する心を以て人を愛すべし。人を相手にせず...
一日一言

退いて己れに問へ

人若し我を誉めなば退いて自ら問へ、我れ之に値するやと。誉を聞いて心に恥ぢなば値する程に進め。人若し我を謗らぱ退いて己に問へ、我れ之に値するやと。譏(そし)りを受くる理由我身に存せざれば、譏る者の不明を憫み、彼等の眼の開くを祈れ。今日ほめて明...
一日一言

大発見の初段

己の行ひを世間並に比し、或は己に劣る者に較ぶる故、左程悪しとは思はぬが、神や聖人と比するまでにほ行かずとも、己の心に照らしても甚足らぬを発見する。此の発見こそ、更に大なる発見の初段。 人は善し己は悪しと思ふにも 何所(いづこ)も無為の住家な...
一日一言

好意の勧誘

親戚主人朋友の勧めにも善と悪とある故、如何に好意の勧誘なればとて、善悪の分別なく従うてはならぬ。是れ、彼等の言に背くに有らず、本心に従ふのみ。親権もなほ良心の命令には及ばず。 曳かれなば悪しき道にも入りぬべし こゝろの駒に手綱ゆるすな一日一...