2024-10

一日一言

真砂の数

君が世は限りもあらじ長浜の真砂の数は読み尽すとも御祝儀は、動もすれば表向の形式に走る恐れあり。形式その物も悪しきにはあらざれども、それのみにては甚だ非此の佳節に、聖寿の無疆(むきょう)を祈るに就ては、身を清め心を潔めて、胸の奥より天の恩恵と...
一日一言

畏き聖旨

明治二十三年の今日は教育勅語を賜はりし日。学校を出れば、勅語を拝読し拝聴する機会(をり)も少くなるが、老若男女を問はず、国民たるものは時々拝読して、 父母ニ考ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信ジ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ボシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ知...
一日一言

世辞追従

心なき世辞は聞くも空々しくても、誠ある諫言(かんげん)よりは耳に入り易い。追従は初は不快なれど、だんだん己より求めて追従なしには物足らず思ふほどになるもの。心の虚偽に慣れることは、身の寒暖に応ずるより速かである。 偽(いつはり)のなき世の人...
一日一言

忠と信

一 忠は君に事ふる道にて、且つ朋友に交るに偽なく、信義を以てする事なり。己を尽すを忠と云ふ。君に事へて死するも己を尽すなり、此故に、士は己を知る者の為に死すと言へり、都(すべて)是忠なり。一 信は毎事に虚事虚言なく、実事を以て旨とする事なり...
一日一言

一粒万石

山の如く積る勤務は多くとも、一年間の用を一日に遂ぐる力もなければ又その必要もなし。人はただ、其日其日の義務を完了することにて足る。一日の業は百年の基礎をも作るべし、一粒の米に万石の約束あるが如し。 さしあたる事より外を思ふなよ 是れを思ひの...
一日一言

人生の新陳代謝

いつも整然たる順序を追うて進むものは年である。これのみは若きが老を凌ぐわけには行かぬ。その他の事何物か一定不変のものある。昨の大宮も、今日は免ぜられて後進に先だたれ、、大家の筆も鈍りて弟子(でし)出藍(しゅつらん)の誉を荷ふ。徳も一旦心乱る...
一日一言

人の見苦しきを思へ

善は僅かにても可為(なすべく)、悪は少しにても為すなかれ、とは古人のよき戒にてにて御座候。此御心得平生に有之度候。若き時の油断は皆老ての後悔となり申候。畏べし。倹を可レ守吝に不レ可レ落、礼を可レ行奢に不レ可レ入。吝は倹に近し、奢は礼に似たり...
一日一言

人の恩

忘れ易きは人の恩。我れが人の為にしたことは、一つを十にも計上するが、人の我が為にすることは、十あつても、一つとしか数へぬゆゑ、人の薄情を怨みて、己の薄情に気が付かぬ。世の中に人の思をぱ恩として 我がする恩は恩と思ふな一日一言(新渡戸稲造)私...
一日一言

倣慢の心

恐るべきものは倣慢の心。少し学問すれば朋友が無学に見え、少し用ゐられると同僚が愚に見え、少し歩並が進めば他人は時勢後れに見え、少し修養が積めば世は修羅に見え、少し油断する間に高ぶる心は増長する。気もつかず目にも見えねど知らぬ間に ほこりのた...
一日一言

清濁併せ呑む

心は、寛大にせんと思へば幾らも寛大になる。人を容れる度量は、心懸け次第にて広くも狭くも慣らすことを得るものである。世を渡るには、清濁併せ呑む位の心がなければ大事は出来ぬ。悪しくともたゞ一筋に捨つるなよ 渋柿を見よ甘ぼしとなる大空はただ我が心...