2024-10

一日一言

義務は無限数

西紀一八〇五年の今日、英将ネルソンが戦死する間際に、予は予の義務をせりと叫んだ。際限なきは勤めなり。一つ済むと思へば又一つ。それを果せばまた新に起る。かく、勤めは無限数なれども、ありがたき事には、幾つもある勤が同時には来ね。故に一つづつ尽し...
一日一言

奇々妙々の世の中

今日は恵比須講とて商売繁昌を祝ふ日。何業によらず業務の隆盛の基は勉強なりとは、安政三年(西紀一八五六年)の今日死去したる二宮尊徳翁の教なり。杣(そま)が深山に入つて木を伐(き)るは、材木が好きにて伐るにあらず。炭焼が炭を焼くも、炭が好きにて...
一日一言

貯蓄の真意

金と塵とは、積れば積るほど穢しとはいひながら、日ごろ貯蓄なきを潔白と取り違へてはならぬ。一旦貧に迫りて人に合力を乞ふ時の乞食心の穢さを思ふべし。己のみ金遣よしなどと誇りながら、子孫をして他人の厄介者にするは、個人主義の最も甚だしきもの。我一...
一日一言

細心大胆なれ

気が弱ければ事は成らぬ。肝は強く且つ大きく持てば大概の事には屈しない。百の鬼ども襲ふとも、何これしきの事と睨めば、鬼は案外弱いもの。こちらが弱味を見せればこそ、図に乗り込むが鬼どもの戦略。気は強く決心堅く慾薄く こゝろは細く肝は太かれ一日一...
一日一言

天に財を蓄へよ

蠹(しみく)ひ銹(さびくさ)り盗人うがちて窃(ぬす)所の地に財(たから)を蓄ふること勿れ。蠹ひ銹り盗人穿ちて窃まざる所の天に財を蓄ふべし。蓋(そ)はなんぢらの財の在るところに心も亦ある可けれはなり。 (基督)一日一言(新渡戸稲造)私の尊敬し...
一日一言

善根を移植せよ

天より下りたる禍ひは耐へやすけれども逃れ難し、己より出でたる錆は五臓に泌み渡れども亡ぼし易し。各決心一つにて亡ぼし得べき禍ひを何とて永く保つべき。速に禍ひの根を心の地盤より除き去りて、空地に善根を移植すべし。 火の車作る大工はなけれども 身...
一日一言

人は器械み非ず

一村一芸に達し、即ち専門の学問を修め、身に技能さへあれば、それにて事足ると安んずるは、人の人たる役目をすてゝ自ら機械と変ずるなり。器械にてはかひなし。宜しく一人前の人となることを心無くべし。世に出でし甲斐こそなけれ類(たぐひ)なき 人の人た...
一日一言

腹を立てるな

腹の立つのも道理(もっとも)な理由があらう。理由なしに腹立つは狂気の沙汰。理由ある時腹立つは通常人のなすこと。理由があつても腹立てぬこそ非凡の人。 いかりをばしつむる時は世の海の 浪風とてもいとはざりけり 心には怒り喜びあるとても 深くたし...
一日一言

戊辰詔書

明治四十一年(西紀一九〇八年)の今日戊申詔書を下さる。 朕惟(オモ)フニ、方今人文日ニ就(ナ)リ月ニ将(スス)み、東西相倚リ彼此相済(ナ)シ以テ其福利ヲ共ニス。咲ハ爰(ココ)ニ益益国交ヲ修メ友義ヲ惇(アツク)シ、列国ト与ニ永ク共二頼ラムコト...
一日一言

行脚の掟

元禄二年(西紀一六八八年)の今日芭蕉が死んだ。彼の行脚の掟に曰く。 他の短を挙げて己が長をあらはす事勿れ   人を謗りて己に誇るは甚だいやしき事なり 主(あるじ)あるものは一枝一草といへども取るべからず   山川江沢にも主あり、つとめよや ...