2024-12

一日一言

記憶の力

記憶の力も、吾人の意志によつて制し得べし。人より受けたる災や、罪科深き過去や、耳目を穢せる言行などは皆さつぱりと忘れたい。永久記憶に留めたきは、人より受けし恩や、見聞したる徳行なり。忘れんと思ふ悪事は忘れねど 善き事のみぞ常に忘るる明治天皇...
一日一言

機嫌買ひ

所謂機嫌買ひは例外としても、誰人も気分のよき時と悪しき時あれば、同じ物いふにも、今日と明日と異ふを怪しみて、心変りでもせしかと疑ふことさへあれども、天気模様と思ひ流せば双方の為。花となり針とはなれど花いばら その心根に二つやある一日一言(新...
一日一言

心の中に身はかくれけり

向ふをうまく凹ました、先方を上手に乗せてやつたと、小才の廻るを誇る輩多けれども、智識や才能で此の世は治まらず。才は小使の手先にて、主人は矢張誠なり。 才覚と智慧にて渡る世なりせば 盗人は世の長者なるべし しりわくる心のうちの誠こそ 才智にま...
一日一言

心のみが人なり

外に出てみると、最新流行の晴れやかなる衣装の紳士、貴婦人、淑女の行列するが如く行くに逢ふ。して、己れの姿はと鏡に写して恥かしく思はば、思ひかへして考えよ、着物も人にあらず、皮も人にあらず、唯心のみ人なることを。 我が姿醜かりとて恥ぢなせそ ...
一日一言

心に在す神

一 君子の意思は内に向ふ。己独り知る所を慎んで、人に知られんことを求めず、天地神明とまじはる。其の人がら光風霽月の如し。 (熊沢蕃山) 山深く何か庵を結ぶべき 心の中に身はかくれけり神代とは経りし昔のことならず いまも神代と知る人ぞ神一日一...
一日一言

縁の絆

縁の絆は時代と共に愈ゝ長く強くなる。一樹一河は云ふも更なり、同じ電車に乗る縁や、同じ水道の水飲む縁とて中々浅きものではない。同じ市に住む者は、互の便を計りて公徳を重んじ、同じ車に乗る者は互に席を譲るのは、縁の絆の結ぶ故である。  かたきでも...
一日一言

地金は必ず現はる

地金は必ず現はれる。いかもど鍍金を厚くしても剥がる時がある。人も、地位や財産や学問で表を飾ることが出来ても、品性が具はらねば学問も地位も財産もただ賤しくなるのみ。どれ程隠しても人の性質は何かに露はれずに終らぬ。 わが心隠さばやとは思へども ...
一日一言

義と法

元禄15年(西暦一七〇二年)の今日、赤穂浪士が亡君の讐(あだ)を復した。義と法とは必ずしも合体せず。昔日は国法を犯して仁義を立て、死を以て法に償へる義士あり。今日は義を曲げて法を立て、生きて法に安ぜんとする者多し。法は義に則り、義は法を正す...
一日一言

善は急げ

時節到来を持つは徒(いたづち)の業。人を救ふの時、善をすべきの時、悪を避くべきの時、事を始むるの時、何時も眼前足の元のある。何んぞ他日を待つの要あらん。 徒らに時運を持ちて暮しつゝ 飢の境に近寄りにけり 散らぬ間に今一度も見てしがな 花に先...
一日一言

知るは行ふ為

道は説く人あれども之を知る人は鮮し。之を知る人はこれあり、これを行う人は鮮し。説くことを得ずとも、之を知るは説くに勝れり。説くは之を知らんがため、知るは之を行ふがためなれば、之を説きて知らざらんは説かざるが如し。之を知りて行はざるは知らざる...