至大至高

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十一月二十四日【至大至高】

宝永四年(西紀一七〇七年)の今日富士山噴火。
至大至高は普通の尺度を以て計り難い。故に凡人は偉大を見ても偉大なるを知らぬ。小山のみ見たる者は、「きて見れば左程でもなし富士の山」と詠ずれども、これは単に一寸見ての判断にして、実際登る者は詠じて云はん、
 聞きしより思ひしよりも見しよりも 登りて高き山は富士のね