一日一言 角一つあれ 世とともに和するはよけれども、此れも世の習ひ、これも社会の風潮なりと、心の中で疾しく(やましく)思ふことまで世に従はば、世は果てなく弱みに付け込んで奴隷となし果つべし。 かばかりの事は浮世の習ひぞとゆるす心のはてぞかなしき おのづから角(か... 2024.11.22 一日一言
一日一言 同じ谷川の水 今日は一休を記念する日。彼は文明十三年(西紀一四八一年)の今日八十八歳で寂した。 雨あられ雪や氷とへだつれど落つれば同じ谷川の水 大水のさきに流るゝ橡殻も身を捨てゝこそ浮ぶせもあれ あめあられ雪や氷もそのまゝに水と知るこそとくるなりけ... 2024.11.21 一日一言
一日一言 永遠日光に浴す 暗き夜もやがては明ける。雨も一時。人の困窮も永久のものではない。但し、日が昇りても目を閉づれば暗夜同様、空が晴れても濡れ衣を身につけて居れば雨天同然。暗きを恐れぬ者は永遠日光に浴す。 ふりつもる雪に撓まぬ松が枝の 心づよく春を待つかな (藤... 2024.11.20 一日一言
一日一言 知らんとせば行へ 学問は、奥の奥まで研究するがよし。されど、身を修むる法、心の持ち方などは、ひたすら実行すべきもので、研究に日を費やすべきものではない。知らんと欲せばまづ行ふべし。理を究めて後に行はんとせば、百年ありても千年ありても不足なるべし。 月見んと思... 2024.11.19 一日一言
一日一言 正しき判断 事に当たつて正しき判断の出来ぬは、自分の損得を算入するからである。丁度物を見る時、光線の前に立つて、我が身の陰で暗くする様なもの。私利を離れて打算すれば、大概の事には惑はぬ。 我れとてわが身をば心の縛り繩 解けて嬉しき広き世の中 われと云ふ... 2024.11.18 一日一言
一日一言 人生の最危き時 立見の見込つきかけたる時は、人生の最も危き時なり。月給の昇り初めは驕り癖の萠す時。名の公に聞え出す頃は慢心の発するとき。人が賞める頃は心の怠り初める時。時候の変りめには兎角風引きがち。 世渡りは浪の上行く船なれや 追風よきとて心ゆるぶな一日... 2024.11.17 一日一言
一日一言 東里先生壁書 一 辞はゆるくして誠ならむことを願ひ、行は敏くして厚からむことを欲す。一 善を見ては法とし、不善を見ては戒めとす。一 怒りに難を思へば悔にいたらず、欲に義を思へば恥をとらず。一 倹より奢に移る事は易く、奢より倹に入ることはかたし。一 樵夫は... 2024.11.16 一日一言
一日一言 天来の慰藉 絶対絶命、不幸は長くうちつゞき、心も身をもからし尽くし、逃げ場も隠れ場もなしと人生に望を失へる時、心静かに天を仰ぎ、或は落付きて心に念ずることあらば、何処と知らぬ所より慰めの吹き来るは何であろう。 霜枯れと見しも恵の露を得て 緑にかへる庭の... 2024.11.15 一日一言
一日一言 職務を重んぜよ 自分の職務を軽く見るは、職務の重きを弁へぬ故なり。世には高く大なる職務も数多あらんなれど、自分にとりては、自分の職務より重きはなし。一家のみ治むる婦人も、一室を掃除する下女も、一局部に働く傭人も、小僧も、丁稚も、各自の勤に忠となる。 後亀山... 2024.11.14 一日一言
一日一言 狭き門より入れよ 窄門より入れよ、沈淪に至る路は濶く、その門は大なり。此れより入るもの多し。命に至る路は窄く、その門は小し。其の路を得るもの少なり。 (基督)一日一言(新渡戸稲造)私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。有名なのは著書『武士道』、国... 2024.11.13 一日一言