一日一言 義と恩 生を軽んじさへすれば勇なりと思ふは、生も勇も知らざるなり。生は重し、生は重んずべし。されど生より重きは義と恩なり。義と恩に比すれば生は軽し。義と恩の為に生を重んずべし。義にもあらず恩にもあらざる事に一生をなげうつは勇にあらず、狂犬の業なり。... 2024.11.12 一日一言
一日一言 礼 礼は人格に対する尊敬の発揚であるから、外形にのみ止まれば虚礼で、先方を侮る様なもの。また、利の為に守る礼は阿諛で、金の前に跪く様なもの。 善き人と知らば敬ひ慎みて その正直を習うべきなり 人は人あくまで人を敬へよ かねや位はほどほどにして一... 2024.11.11 一日一言
一日一言 誠は世界共通の旅券 人種が異らうが、言語が通じまいが、互に了解するものは誠である。正金は何処でも通用する、贋造貨幣は決して永く流通しない。誠実は世界共通の旅券で、之れさえあれば何処でも大手を振つて歩ける。 誠ほど世に尊かるものはなし 誠一つで四海兄弟一日一言(... 2024.11.10 一日一言
一日一言 恥を知れ 人は唯恥を知るがよし、恥を知らざれば忠も孝も之もあるべからず、万事万端に就き頼む方なく用にたゝぬものなり。さて恥づべき第一は、面々其家に生れ定まりたる家職あり、其家の職を忘るゝは大なる恥なり。譬へば、出家にして仏道を知らず、医者にして薬を知... 2024.11.09 一日一言
一日一言 追憶の楽み 往時を記念する楽は、書画骨董音楽の楽と異つて、道具入らずで楽める実に君子的の楽である。昔交際した友人、昔見た花、昔聞いた話、さては昔弄んだ玩具でも、それからそれと懐しい聯想を起す。 年経ても如何で忘れん汲みて見し 野中の水の深きこゝろを い... 2024.11.08 一日一言
一日一言 口は禍の門 口は禍の門とは古へよりの金言なれど、これを忘れぬ人はない。よし身を犠牲にするも、自己の確信なら述ぶるを憚るべからず。確信にもあらざる言、殊に他人の身上に係はる言は容易に口外すべからず。 湧きかへる胸に剣をおしあてゝ 言ひたきことを暫し止めよ... 2024.11.07 一日一言
一日一言 貧乏の元手 収入が少ない、俸給が上らぬ、世の不景気と列べ立てゝ貧乏竈を歎くより、要らぬ費を省き、見えを張ることを廃め、よからぬ附合を断るべし。出道を約めれば入口は拡がらん。 貧乏の元手となるは色と酒 家菜不精に慾とおごりと一日一言(新渡戸稲造)私の尊敬... 2024.11.06 一日一言
一日一言 かをりは一つ 菊は思ひ思ひと云はんか、何れにしても種々の色や形を競ふて咲くが、互に争ふ様子はない。各自の考や趣味が違ふても何の争ふ理由があらう。真面目に正直なれば必ず共通の点を見出すべし。 さまざまの色をつくして咲く菊も かをりは一つ庭の秋月 (白河楽翁... 2024.11.05 一日一言
一日一言 富貴と貧 冨と貴とは是れ人の欲する所、其の道を以て之を得るにあらざれば処らざる也。貧と賤とは是れ人の悪む所、其の道を以てせざれば、之れを得るも去らざる也。(論語) 貴きまた賤しきも世の中の 人にこゝろの中にこそあれ一日一言(新渡戸稲造)私の尊敬してい... 2024.11.04 一日一言
一日一言 腹立つた時の顔 腹が立つた時の顔は如何に醜を極むるかを思へ。我が怒を恐るゝ女子供を見て、我れに威厳ありなどと思はゞ誤の甚しきもの。顔色面相狂犬に似ればこそ、人は一時避けるなれ、恐縮すると思ふは自惚。 限りなき腹立つことの有りとても 色にもらして声高うすな一... 2024.11.03 一日一言