一日一言 戊辰詔書 明治四十一年(西紀一九〇八年)の今日戊申詔書を下さる。 朕惟(オモ)フニ、方今人文日ニ就(ナ)リ月ニ将(スス)み、東西相倚リ彼此相済(ナ)シ以テ其福利ヲ共ニス。咲ハ爰(ココ)ニ益益国交ヲ修メ友義ヲ惇(アツク)シ、列国ト与ニ永ク共二頼ラムコト... 2024.10.13 一日一言
一日一言 行脚の掟 元禄二年(西紀一六八八年)の今日芭蕉が死んだ。彼の行脚の掟に曰く。 他の短を挙げて己が長をあらはす事勿れ 人を謗りて己に誇るは甚だいやしき事なり 主(あるじ)あるものは一枝一草といへども取るべからず 山川江沢にも主あり、つとめよや ... 2024.10.12 一日一言
一日一言 愚者に勝る愚 謗(そし)る人の言を聞いて、自分の悪しきを覚らば、大の拾ひものをしたるに同じ。若し謗る人の言が更に我れに当て嵌らぬなら、云う当人の愚なるを露はすものなれば、愚者を相手にするは愚者にまさるの愚なり。何んぞ彼れの不足を憫(あわ)れまざる。 わが... 2024.10.11 一日一言
一日一言 無意識の徳 徳は知らざるに行ふを上とす、徳と知りてするを中とす、努めてするは下。徳を行うて誇れば最早徳にあらず。忠孝も貞操も苦みて尽すは、尽さざるには勝れども、無意識にも尽すを以て至高とす。 うつるとは月も思はずうつすとは 水も思はぬ広沢の池 主に忠親... 2024.10.10 一日一言
一日一言 要は平生にあり 平生道を踏まざる人は、事に臨みて狼狽し、処分に苦しむものなり。倒せば、出火の時・平生処分あるものは、動揺せずして取仕末も能く出来るべしと雖も、平生処分なきものは、唯狼狽して措く所を知らざるに至る。左れば平生道を踏み居るものに非らざれば、事に... 2024.10.09 一日一言
一日一言 平素の修養 泥棒を捕へて縄綯(な)ふは愚の至とは知れど、その実誰人も為すことにして、不時の事件に遭遇して慌てぬものは甚だ少い。人の平常の修養を試すのはこんな時である。 何事も定業なりといふ人も まことの時は驚きぞする 世の常に工夫観念つとめなば まこと... 2024.10.08 一日一言
一日一言 生も死も道の為 安政六年(西紀一八五九年)の今日、橋本左内、頼三樹(頼 三樹三郎)等が勤王論を唱へて刑せられた。彼れの頃の天下の志士は、私心更になく、ただ主義の為に立ち、生くるも死するも道の為と心得たれば、死するも更に天をも人をも恨まぬ。権力にあり付かうと... 2024.10.07 一日一言
一日一言 甘き舌 世辞よき人は気に入るもの。英雄も任人の為には欺かれる。篤と考へざれば、甘(うま)き舌には巻かれ易い。人の言を疑ふはよからざれども、言語に誠あるやなきやの判断はなくて叶はず。 くきの葉の露も光のあればとて 玉といひては如何が拾はん へんくつな... 2024.10.06 一日一言
一日一言 勤めざれば知り難し 知る事は易く、行ふことは難し。然れども委しく知らざねば行ふべからず。たとへば農業のごとき、時をたがへず蒔き、草かり、土かへぱよくみのることは誰も知れど、唯その事を知りて、せざれば益なし。又其知るにも時を考へ、培(つち)のかひやう、鋤(す)き... 2024.10.05 一日一言
一日一言 君子は下問を恥ぢず 自信は貴けれども、他人を馬鹿と做し、己のみ賢しと思ふは精神上少しく足らざる証拠なり。智者は何人よりも学ぶ所あつて人を愚弄せず。 智恵ありと思へるちゑにさへられて あはれ誠のちゑを失ふ 恐ろしき鞍馬愛宕の天狗より なほ恐ろしき里の小てんぐ一日... 2024.10.04 一日一言