倹約の仕方

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

九月二十九日【倹約の仕方】

気長く心穏にして、万に倹約を用て金を備ふべし、倹約の仕万は不自由なるを忍ぶにあり、此世に客に来たと思へば何の苦もなし、朝タの食事うまからずともほめて食ふべし、元来客の身なれば好嫌は申されまじ、今日の行(おこなひ)おくり、子孫兄弟に能く挨拶をして、しやぱの御暇申がよし。 (伊達政宗)