光陰矢の如し

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

九月三十日【光陰矢の如し】

光陰矢の如し、昨日まで青々と見たる田の色も、今日は全く色変り、山の木の葉も風に乱れて、世は方(まさ)に秋の景色となつた。それにつけても、世の有様はさて置き、わが知人の小さい範囲にも、数へ挙ぐれば変化は少くない。
昨日見し人はと問へぱ今日はなし 明日また我れも人に問はれん