愛の根元親子の愛

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十月二日【愛の根元親子の愛】

安政二年(西紀一八五五年)の今日江戸に大地震があり、其の節、藤田東湖は母を救はんとして却て自ら圧死した。
親を思ふ子の心にまさるは、子を思ふ親の心なりとやら、相互の思ひやりありてこそ、人の万物の霊長たる実が見ゆるなれ、親子の愛は人類の愛の根元。
 明治天皇御製
むらぎもの心つくして報いなむ おほし立てつる親の恵みを
たらちねのみ親の教あら玉の 年ふるまゝに身にぞ沁みける