戊辰詔書

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十月十三日【戊辰詔書】

明治四十一年(西紀一九〇八年)の今日戊申詔書を下さる。
 朕惟(オモ)フニ、方今人文日ニ就(ナ)リ月ニ将(スス)み、東西相倚リ彼此相済(ナ)シ以テ其福利ヲ共ニス。咲ハ爰(ココ)ニ益益国交ヲ修メ友義ヲ惇(アツク)シ、列国ト与ニ永ク共二頼ラムコトヲ期ス。顧ミルニ、日進ノ大勢ニ伴ヒ文明ノ恵沢ヲ井ニセムトスル、固ヨり内国運ノ発展ニ須(マ)ツ。戦後日尚浅ク庶政益々更張ヲ要ス、宜ク上下心ヲ一二シテ、忠実業ニ服シ勤倹産ヲ修メ、惟信惟義醇厚俗ヲ成シ、華ヲ去り実ニ就キ、荒怠相誠メ自疆息マザルベシ。