明治四十一年(西紀一九〇八年)の今日戊申詔書を下さる。
朕惟(オモ)フニ、方今人文日ニ就(ナ)リ月ニ将(スス)み、東西相倚リ彼此相済(ナ)シ以テ其福利ヲ共ニス。咲ハ爰(ココ)ニ益益国交ヲ修メ友義ヲ惇(アツク)シ、列国ト与ニ永ク共二頼ラムコトヲ期ス。顧ミルニ、日進ノ大勢ニ伴ヒ文明ノ恵沢ヲ井ニセムトスル、固ヨり内国運ノ発展ニ須(マ)ツ。戦後日尚浅ク庶政益々更張ヲ要ス、宜ク上下心ヲ一二シテ、忠実業ニ服シ勤倹産ヲ修メ、惟信惟義醇厚俗ヲ成シ、華ヲ去り実ニ就キ、荒怠相誠メ自疆息マザルベシ。
【現代語訳】私(明治天皇)が思うには,現在,人類の文化は日進月歩で進み,東洋と西洋とは互いに信頼協力の関係にあって文明の福利を共有している。私はこの時に当たって,ますます外国との交わりを親密にし,友好の情を深め,列国とともに末永くその喜びに浸りたいと願っている。我が国をふりかえってみれば,日進月歩の世界のなかで文明の恵みを享受してきているが そのことはもとより 自分の国を自らの努力で発展させてきたからである日露戦争後なお日はまだ浅く,各方面の政治情勢は厳しく,一層手綱を引き締めていかねばならない。すべての国民が心を一つにし,忠実に仕事に励み,勤勉に倹約をして生計を立て,ひたすら信義を重んじ,人情の厚いことを気風とし,ぜいたくを戒めて質実を重んじ,荒んだ心や怠け心を互いに戒め合って,自ら励み勉め続けなければならない。そもそも我が神聖なる皇祖皇宗の遺訓と,我が国の光輝ある歴史の成果とは,太陽や星のごとくに明らかである。慎んでよくこれを守り,誠実に自らを打ち鍛え研ぎ澄ましてゆくならば,国運発展の基はすぐ眼前にある。私は現在の世界の情勢に対処するに当たり,私の忠良なる臣民の協力を頼みとして,維新の大業を拡張し,先祖の威徳に劣らぬようにと心から願っている。皆の者よ,私の願いを噛み締めて自分のものとしてくれるように。
一日一言(新渡戸稲造)
私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。
この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…
もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?
今日の糧を得られるかもわかりませんよ。