忠と信

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十月二十八日【忠と信】

一 忠は君に事ふる道にて、且つ朋友に交るに偽なく、信義を以てする事なり。己を尽すを忠と云ふ。君に事へて死するも己を尽すなり、此故に、士は己を知る者の為に死すと言へり、都(すべて)是忠なり。
一 信は毎事に虚事虚言なく、実事を以て旨とする事なり。上天子より下庶人まで、信あれば人服し、信なければ人背く。貴賤となく信を失ふ事勿れ (林子平)
※林 子平(はやし しへい)元文3年6月21日(1738年8月6日) – 寛政5年6月21日(1793年7月28日))は、江戸時代後期の経世論家。諱は友直。のちに六無斎主人と号した。
高山彦九郎・蒲生君平と共に、「寛政の三奇人」の一人(「奇」は「優れた」という意味)。