畏き聖旨

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十月三十日【畏き聖旨】

明治二十三年の今日は教育勅語を賜はりし日。
学校を出れば、勅語を拝読し拝聴する機会(をり)も少くなるが、老若男女を問はず、国民たるものは時々拝読して、
 父母ニ考ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信ジ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ボシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ知能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進デ公益ヲ広メ世努ヲ開キ常ニ国憲ヲ重ジ国法ニ遵ヒ
と仰せられた聖旨を日常服膺(ふくよう)したきものなり。