真砂の数

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十月三十一日【真砂の数】

 君が世は限りもあらじ長浜の真砂の数は読み尽すとも
御祝儀は、動もすれば表向の形式に走る恐れあり。形式その物も悪しきにはあらざれども、それのみにては甚だ非
此の佳節に、聖寿の無疆(むきょう)を祈るに就ては、身を清め心を潔めて、胸の奥より天の恩恵と祝福の主上の御上に降らんことを願ふべきである。
 ふして思ひ起きて数ふる万世(よろづよ)は神ぞ知るらんわが君の為
 民安く国ゆたかなる御代なれば君を千歳と誰か祈らぬ