恥を知れ

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十一月九日【恥を知れ】

人は唯恥を知るがよし、恥を知らざれば忠も孝も之もあるべからず、万事万端に就き頼む方なく用にたゝぬものなり。
さて恥づべき第一は、面々其家に生れ定まりたる家職あり、其家の職を忘るゝは大なる恥なり。譬へば、出家にして仏道を知らず、医者にして薬を知らざるも恥辱の一なり。我がなすべき事をせざるさへあるに、為まじき事をするは猶以ての恥なり。 (津軽信明)