正しき判断

一日一言(新渡戸稲造)

私の尊敬している教育者の一人である新渡戸稲造先生。
有名なのは著書『武士道』、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長という経歴はご存じのことと思われる。
また、今回のお札改定変更で同じ教育者の津田梅子氏へと交代したが日本銀行券の五千円券の肖像としても知られているはず。

この人が自分の助となつた格言を集めて、その日その日の教訓になる格言を日本人が理解できるように、また、簡単な文章で一日の精神的糧になるようにと書き残したのがこの文書である。ただ、1915年(大正4年)の脱稿なので、また、文語文の形態から令和のZ世代人は理解できるかなは甚だ疑問であるが…

もう一つの特徴としては一日分を声高らかに誦(しょう)しても一分以上を要しない短文であるということ。
あなたも私のブログを見ながら音読してみませんか?

今日の糧を得られるかもわかりませんよ。

十一月十八日【正しき判断】

事に当たつて正しき判断の出来ぬは、自分の損得を算入するからである。丁度物を見る時、光線の前に立つて、我が身の陰で暗くする様なもの。私利を離れて打算すれば、大概の事には惑はぬ。
 我れとてわが身をば心の縛り繩 解けて嬉しき広き世の中
 われと云ふ人形つかふ者は誰ぞ 事々物々に気を付けて見よ